Microsoft Teamsの利用管理が難し過ぎる

2022年10月15日

Microsoft Teamsの利用とライセンス管理や無料版から有料版へ切り替えるにあたりドはまりした体験を書きたいと思います。
その中で色々分かった事もあるので、同じようにハマっている人の参考にでもなればと記事に残しました。

また特に中小企業の方がこの混乱パターンに足を踏み入れるのではないかと思うのでまず結論から書く

  • 「Teams Essentials(430円/月)」は有料版ではあるが「1人向け」である。
  • 「Teams Essentials」は個人の利用を前提した作りとなっているのに複数ライセンス指定が行える。
  • 組織で利用したければ「Microsoft 365 Business Basic(650円/月)」が無難。
  • テナントやドメイン、組織という概念が非常に複雑で、感覚で利用ができない。

これらの事柄が今回のTeams無料版から有料版へ切り替えるだけの作業であるにも関わらず、1ヶ月もMSサポートと押し問答を繰り返す事になった要因だと思います。

そもそも何故「Teams Essentials」を選択したのか?

中小企業のシステム担当の方々はマイクロソフトが思っているより遥かにコスパや費用を重視してみている。
そこでメールやOfficeを別で持っているが、昨今のコロナによって需要が高まったテレビ会議ソフトを利用するが、無料版だと利用時間の制約などもあり、できれば少ないコストでそういった制約なくテレビ会議を行いたい。

更に大企業はTeamsを利用している事も多く、ともなれば社内のパソコンが苦手な人でも極力合わせられる様にという事でTeamsを選択肢とする企業も多いと思う。しかしそうなると要件としては「Teamsの一般的な利用に対する制限が無い」、更に「価格ができるだけ安いプラン」という選択肢となり「Teams Essentials」を候補としました。また、小規模ビジネスにも対応しているという事で「Teams Essentials」を選択しました。
(※ちなみにこの時点では「無料版の時間制限を取っ払えるのかな~」くらいに思ってた)

でもちがいました。マイクロソフトは既存システム(メール、パッケージ版Office)は使いつつ、Teamsだけを追加で使いたいという発想があまりない様で、大企業では問題になる事は少ないと思いますが、ぶっちゃけ全てが網羅されたサブスクなんて使おう物なら中小企業での費用効果としてはあまりに見合わない代物となります。メールの利用料・保守料を含めた費用で現在の倍、Officeもパッケージ版をそれなりに長く使っている状態と比べると同じく倍くらいのコストがかかります。

ぶっちゃけ無料版Teamsを使っていた時も良くわからなかった

そもそも、Teamsは他のメジャーなSkypeやZoom等の比べて管理体系が独特過ぎる気がします。
Skypeの時なんかは、まず自身の会社のメールでSkype用のアカウントを作成、これは実際はマイクロソフトアカウント(以下MSアカウント)というものが作成され、それがSkypeのアカウントになっていた様に思います。

しかし、Teamsを利用したい場合に「無調でサインアップ」を行っても、そもそも上手く行かない・・・
試しに「hoge@fuga.com」(会社のメール)を入力し、進めた場合の例で話を進めます。

すると、左記の様なメッセージが表示されます。
ここのポイントは「組織のディレクトリ」は何か?という事だと思います。

あと「管理者に問い合わせるか」って馬鹿なのか?
この会社の管理者はむしろ私だっ!ってなります。

どうやら世の中のTeams界隈の問い合わせではこれらに近いメッセージが他の画面でも表示される事が多く、情報システム部門に結構問い合わせが来るとか、いったいどんな嫌がらせなのかと・・・

Microsoft Teams を起動すると「誰かが既に組織にTeamsをセットアップしています」と表示される

そこで色々試した所、「hotmail.co.jp」「outlook.com」「outlook.co.jp」といったMSアカウントを作成し、それらのアカウントであればサインアップができる事が判明しました。

テストを兼ねて「poyopoyonekoneko@outlook.jp」というテストメール付のMSアカウントを作成し、ログインするとあっさり次の画面に進むという意味不明な動きをします。そういう物だと進めるしかない状態です。

その後、会社のメールアドレスを「poyopoyonekoneko@outlook.jp」のTeamsの管理者画面内にあるチームのメンバーとして登録することで、会社のメールアドレスでもTeamsを利用できる様になりました。・・・がっ!ここから大きな問題が発生します。

会社で利用制限(60分制限)の関係により、いざTeamsを有料版にアップグレードしたいとなり、
一番格安な「Teams Essentials(月額430円/月)」に変更しようとしましたが、何故か利用プランには「Microsoft 365 Business Basic」は存在するものの、「Teams Essentials」がない状況に(汗)

そこで購入前の相談場所に問い合わせると、「Microsoft 365 Business」はどうですか?と言われ、更には無料版からのアップグレードでは「Teams Essentials」にはできないという意味不明な事を言われる始末・・・
思わずMSのサポートの人に、出来ないから高いプランにならって理由として舐めているのかって言いたくなりました。
それくらいに中小企業にとって「220円の差×ライセンス数×月数」という数字は大きな負担なのです。
仕方が無いので、既存の無料アカウントの構成は放置し、新たに新規購入の流れで「Teams Essentials」の購入を進めた。

後で判明したのですが、Teamsへログインする際、「家庭/小規模ビジネス」と「組織/学校」のどちらの用途でログインするか聞かれますが、「家庭/小規模ビジネス」でログインし、アップグレードする事で、「Teams Essentials」のアップグレードメニューが表示される事がわかりました。
ただ、後でその話をサポートに説明したところ、画面にはでているが、結局、「無料版Teams」から「Teams Essentials」へはアップグレードできないとの説明を受けました。(意味不明ですが・・・)

その途中、管理用のメールアドレスを求められたので、「kanri@fuga.com」(Teams管理用アカウントとしました)で優良プランで10ライセンス程度で申し込みをしました。(クレジット決済しかできないのが糞だけど仕方ないのでそのまま進める)

申し込み後、「Microsoftアカウント」ページにログインし、「サービスとサブスクリプション」のページより「Microsoft Teams」の管理ページ(厳密にはMicrosoft365管理センター)というページに移動できました。そこではライセンスの利用状況やメンバーの招待(ライセンスを割り当ててTeams利用の為のアカウント(メールアドレス)を作成する行為)が出来ます。

余談ですが、管理用に利用し、実際のTeamsのログインに利用しないつもりでしたが、「kanri@fuga.com」にライセンスが1つ使われている状態になっていましたが、こちらも仕方がないと割り切りました。

そしていざ会社のTeamsで利用する予定の他の人のメールアドレス(~@fuga.com)を招待のメールアドレス欄に指定すると、

このメール アドレスは別の組織に属しています。別のメール アドレスを要求して、もう一度お試しください。

とバカげたメッセージが表示されます。

どこに原因があるのかがわからない為、色々なパターンを試して検証してみました。

  1. 新規に作成したばかりの会社アドレスを招待 → NG
  2. 無料版Teamsで利用していた会社アドレスを招待(組織から削除済) → NG
  3. 無料版Teamsで利用していた会社アドレスを招待(利用中) → NG ※上記はMSアカウントでもあります。
  4. 個人利用しているプライベートなMSアカウント(hotmail.com)(Teams未使用)を招待 → OK
  5. 現在も無料版Teamsの組織管理として利用してるMSアカウント(outlook.com)を招待 → OK
  6. 適当に他組織ドメインのメールを指定したり、適当に乱雑なドメインを指定 → OKの物とNGの物があり

メールは登録しなくても招待できるかどうかが判定されます!(なので勝手に招待はしていないよ!)

このことから分かった事としては、指定するメールアドレスのドメイン単位で招待できるかどうかが異なる事が判明しました。

マイクロソフトサポートのあちこちで聞きまくったが・・・

念の為マイクロソフトのサポートにも問い合わせ、これが発生する要因を確認してもらったところ、「セルフサービスサインアップ」という機能により、Teams Essentialsの利用登録時に「kanri@fuga.com」というメールのドメインがMicrosoft365のドメインとして登録されるという事が原因だと言われました。

はっきり言っていまだに理解が追い付いていませんが、以下の様な状況だという事がわかりました。

kanri@fuga.com 管理者ページ用として作成(最初からライセンス割り当て済みとなる)
 利用者1:user@fuga.com ← 招待できず(@fuga.comの組織が「kanri@fuga.com」作成時に作られた為)
 利用者2:user@aaaa.com ← 招待できる(@aaaa.comの組織がまだ誰も作っていなかった為)
 利用者3:user@bbbb.com ← 招待できず(@bbbb.comの組織が誰かが作っていた為)

ちなみにMSアカウント(outlook.comなどのメールアドレス)を指定すれば問題なく招待できました。
(これは組織としては利用できない特別なドメインなのかもしれません)
ちなみに、「招待=ライセンス」の割り当てとなります。

この動作が「Teams Essentials」が個人向け(小規模ビジネス=フリーランスの個人)だと理解した要因であり、有料を購入する際に指定するアドレスだけがライセンスを最初から割り当てる事ができ為、そこへの招待(ライセンス付与)は「有料登録したメールアドレスとは異なるドメインのメールアドレス」で、かつ「他の組織のドメインとなっていない事」(超重要)というのが招待できるかどうかの境界になっていました。これってgmail.comとかだと招待できるんでしょうか?はなから招待させる気無い気がしますし、登録画面にライセンスは幾つ必要か?購入数量を指定する流れについても、実際に行える事と乖離がある気がしてならないです。

また、これらの組織登録の事をMSサポートの人達は「テナンント」や「Office365テナント」と表現しているようでした。
「テナント=Microsoft365管理センターで管理されている1つの組織」という考えの様です。

また、MSサポートの中でも「Teams Essentials」に対する理解が非常に怪しいと感じました。
最初に言われたのが、「Teams」を有料化(Microsoft365のサブスク利用)の時に「ドメインを指定しているハズ」や「ドメインが紐づいてしまっている恐れがある・・・たぶん」といった事を言われたのですが、そんなものを指定した覚えもなく、具体的にどのメールアドレスのアカウントに「fuga.com」は紐づいているのですか?といっても「それは異なるサポートで~」となり非常に腹が立ちました。

後々「Microsoft 365 Business Basic」の有料登録をしたときに「Essentials」では出て来ない「~.onmicrosoft.com」というサブドメインの作成と、作成後に独自ドメイン(@fuga.com)の紐付けが任意で行える事をしりました。

この独自ドメインの紐付けを登録時のメールアドレスのドメイン部分を利用して自動で勝手に行う行為が「セルフサービスサインアップ」という糞機能なようで、おかげさまで現在会社の独自ドメインは今回Teams用の「Microsoft 365 Bisiness Basic」を管理するアカウントとは異なるテナントに紐づいている始末です。(削除するのもややこしそうです)

また、今回の話は、自分がそのあたりの登録を行った事で勝手に紐づいたという話ですが、恐ろしいのはこの自動でドメインが利用されるという部分は、企業の誰かが地震の会社メールでテナントを作成すると、もうそのメールと同様のドメインを管理者側が割り当てられないという点です。はっきりいって滅茶苦茶な仕組みだと思います。

もしこれがまかり通るならとんでもない欠陥サービスの様に思うのですが、色々Teamsのサポートの方に話を聞いても、何もかもが中途半端で6割ぐらいの回答しかもらえず、サポート同士が説明する内容も矛盾している物もありました。
Teamsの仕組み、Microsoft365の仕組み、マイクロソフトアカウントの仕組み、購入前のノウハウ(購入相談窓口)、これらの知識が全て揃わないとまともに対応が進まないという感じでここ数週間は本当に最悪な対応となりました。

もし同様に混乱されている方の少しでも助けになれば嬉しいです。

IT関連

Posted by 志津香